情報デザイン   誰の為のデザイン  レポート
視覚伝達デザイン3年 石川智生


ターゲット:ドライヤー(参考:TESCOM ione naturam マイナスイオンヘアードライヤー)


  

画像が我が家で使っているドライヤーだが、この製品に限った事ではなく、
スライド式スイッチのドライヤー全般がターゲットである。



機能:スイッチ




TURBO 強い風で早く乾燥させたい時に使用
DRY やや強い風でじっくり乾燥させたい時に使用
SET 弱い風で整えたい時に使用
COOL 冷風で髪を乾燥したい時や仕上げに使用
OFF 電源オフ


ドライヤーにはDRYSETCOOLOFFという4つのスイッチと、
OFFを除いた3つそれぞれの風の強弱を変えられるTURBOというスイッチが備わっている。

髪をケアする為の基本的なドライヤーの使い方▼
①始めにドライヤーを起動させる時に、一番上までスイッチを上げて、高温のDRY髪全体を乾かす。
②髪の全体が大まかに乾いたら、一段階下げてSETで一部一部細かいところを念入りに乾かしていく。
③そして熱によって髪が傷むのを防ぐ為また一段階下げたCOOLで熱された髪を冷やして整える。
④これでドライヤーは終了なのでOFFにする…。
上から下という順序に沿って使用する事で、ドライヤー本来の髪にやさしい使い方ができる。



問題点


まず、ドライヤーのスイッチにはそれぞれどういう場面で使うのか、どういう順序で使えば髪に良いのか、
ドライヤーを使い始めた当初は全く知らず、上記の使い方の手順も最近初めて知った。
使い方などにも記載はなく、ネットで調べるとメーカーから聞いたという記事からこの手順が出てきた。
メーカーは使うべき手順を意図してこの機能を作っているのに、その手順の説明が何もない。



デザインの原則要素


一つ一つが別個のボタンではなく、全ての機能を辿るよう作られているのがこのドライヤーのスイッチの特徴である。
この構造によって、DRYから飛んでCOOL、DRYから飛んでOFF、といった行動は厳密に言えばできない。
勿論中間にある項目を滑るように通り過ぎてしまえば跨いで飛べると言えるのだが、軌跡は生まれる。
軌跡を作ってスイッチを切り替えることで「順番通りに操作をさせる事をアフォードする」。
この構造も一種のアフォーダンスといえる。
がしかし、このドライヤーには道はあっても道順の表示は無い。
その順序に上から並んではいるが、このドライヤーは最初がOFFから始まるので「上から下へ」という道順を導く事が難しい。
上記の通り跨いで飛べるとも言えるし、この構造だとゴールとスタートが同じである事から、
アフォーダンスとしては本来の使い方へ導かせるにはまだ機能性が低い。

スイッチの脇にあるそれぞれの機能の名称は、道順として生きているかといったらそうは言えない。
ここにスイッチを合わせれば名称通りの機能が扱える。即ちこれがドライヤーのシグニファイアだ。
しかしドライヤーの基本的な使い方の道順を導いてはいない。

一つ一つの機能だけではなく、道順を示す事も大事である。
この場合アフォーダンスとシグニファイアが上手く噛み合っておらず、
ドライヤー操作の手順を示しきれていないようにみえる。
軌跡を作れるスイッチを生かした手順の導き方を考えるべきだ。